
eの拳 ~手のひらの中のオリンピック~(輝井永澄) - カクヨム
オリンピック代表選考では負けた。ゲームでは、負けない。
「参加することに意義があるなんて、勝ったやつだけが言えることだ」
2020年、東京オリンピックはコロナウィルスの影響で延期になった。
でも、日本代表になれなかった俺には、そんなのどうでもいいことだった。
外にも出れず、暇を持て余していた空手選手が出会ったものは――格闘ゲーム。
もう一度、勝ちたいから。
一度失ったものを取り戻すため、空手家がeスポーツに挑む!
未昔堂・主宰の輝井が書いた短編です。
本人も多分に漏れず、子供のころ格闘ゲームにハマり、その後格闘技を始めたりしているわけですが、最近はeスポーツとして認知され、ウメハラ氏をはじめとするプロゲーマーの活躍も著しいですよね。
動画を見るだけでは満足できず、格闘ゲーム用のパッドを買って練習に勤しんだりしています。
本作内で登場する、「実際の格闘技は音や匂いや、わずかな空気の流れまで情報としてやり取りするのに、ゲームだと視覚の情報しかないのが気に入らない」というのも、作者の実感がこもった話です。
また、この作品には、作家/書評家の大滝瓶太さんから「切実と闘争」という観点で書評もいただきました。(有料記事です)

【40作目、41作目】#RTした人の小説を読みに行く をやってみた|大滝瓶太|note
批評を再開したものの、急遽じぶんの小説のほうで仕事のあれこれがあって動きが止まっていてすみません。noteでのまとめは何らかのパッケージがあった方がいいとは思いつつ、1作を徹底して読むのに手一杯でなかなかそこまで頑張れていません。。。 今回は2作品の批評です。言語表現への問題意識を散文化した作品と、格闘ゲームとスポ...
ゲームというのは闘争におけるある種の要素をオミットし、一部の技量にフォーカスしてそれを比べ合うもの。
フィジカルとバーチャル、それぞれにおける闘争と、そこに通底する「熱さ」の発露をお楽しみください。
eの拳 ~手のひらの中のオリンピック~
作:輝井永澄
短篇(3,953字)
掲載サイト:カクヨム
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