武芸ができない侠客なんて、変だろう?――武侠のひしめく異世界で、現代日本人はなぜ英雄となったのか?

双月の大英雄(古月) - カクヨム
武芸ができない侠客なんて、変だろう?

彼にはひそかな楽しみがあった。
異界への門を抜け、日々の憂いと悩みとを忘れて自由気ままに過ごすことだ。

草原に寝転びながら二つの月を見上げる眼前を、その日飛び越えた者がいた。
それが始まりだった。

 古道具の力で、異世界と行き来する力を得た主人公・武山誠は、二つの月が掲げられたその中世中国のような世界で、女侠客のルヤンを助け出す。

 ルヤンを現実世界に連れ帰り、怪我の手当てをする武山。自分を殺そうとした猛者・夏崇烈への復讐にはやるルヤンだが、実力では及ばないことを彼女は知っていた。ルヤンは武山の家で療養しながら、現実世界の文化に触れるのだが――

 中華武侠ものといえばこの人、の古月さんが描く、異世界日帰りファンタジーアクション。キャラクターが魅力的に立ち回るのはもちろん、現実世界の日本人で、当然武術も使えない武山が、そしてルヤンが、如何にして強敵に挑むのか。

 一本の映画を見終わったかのような爽やかな読後感が心地いい一篇、ぜひお楽しみください。

双月の大英雄
作:古月
短篇(19,724字)
掲載サイト:カクヨム

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