先鋒が負けてもまだあたしがいる――「次鋒」として戦う青春

覚えたか次鋒の剣(梧桐 彰) - カクヨム
先鋒が負けてもまだあたしがいる

 格闘競技は個人戦が基本。対等なルールで力と技を比べ合うのがその本質です。

 それでも、数多の格闘スポーツ競技を描いたエンターテインメントの中で描かれる「団体戦」に、我々はなぜこうも心を揺さぶられるのでしょう?

 その答えのひとつは、本作の中に記されたこの一文ではないでしょうか。

 団体戦の不思議なところは、一対一の繰り返しなのに、その順番が全体の勝敗に影響することだ。特に一番強いのをどこに配置するかは考えどころ。大将にするのが基本だけれど、先鋒に持ってくる場合もある。それ以外の勝てるところで勝つ作戦もある。

 舞台は高校総体、剣道の団体戦。

 先鋒-次鋒-中堅-副将-大将の5vs5で争われるその、「次鋒」を主人公は任されています。

 先鋒や大将の役割はわかりやすいですが、団体戦において「次鋒」はどうも地味に見えがち。

 しかし、その地味な次鋒に思わぬ重大な局面が回ってきて――

 タイトル通りの「覚えたか」という主人公の鮮烈さと、それを引き立てる団体戦の緊張感、独特の雰囲気の描写が掻き立てるスリリングさを、ぜひお楽しみください。

覚えたか次鋒の剣
作:梧桐彰
短篇(2,611字)
掲載サイト:カクヨム

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました