現実に災いをもたらす未完の作品に、魂をインクとし立ち向かえ『完結屋』!

なぐるふぁるの鬼娘(西紀貫之) - カクヨム
現実に災いをもたらす未完の作品に、魂をインクとし立ち向かえ『完結屋』!

未完の物語は完結を求め災いを為す。

世に仇為す魔を秘めた未完の作品に、古書店店主の斫颯が立ち向かう。

武器は魂をインクとして物語を紡ぐ魔筆『なぐるふぁる』。
補佐をするのは、物語を喰う文車の鬼『沙華』。

様々な物語に完結を書き記すため、彼らの戦いは今日も続く。

これまた異色のバトル作品を一篇ご紹介。

本作の主人公は「完結屋」

そして対するは、未完で終わり、そのために人に害を成す「物語」

優れた作家でもある主人公・斫颯(はつり・はやて)は、魔力を秘めた万年筆「なぐるふぁる」を用い、文鬼の沙華と共に未完の物語に潜む魔と対決します。

「物語」を「完結」させるための「バトル」と聞くと、一体どんなバトルになるのだろう? と思われるかもしれません。漫画的な表現であれば、肉体を得て実体化した魔物と戦う――そんな表現になるでしょうか。

ところが、この作品のバトルは、物語を生み出した作者と、それを完結に導こうとする主人公の「校正バトル」

作家としてのお互いのエゴをぶつけ合うクライマックスのバトルシーンは、緊迫感と躍動感に満ち、肉弾バトルにも劣らない熱さ!

エゴと想いのせめぎ合いが展開される校正バトルの表現は、小説ならではのもの。

手に汗握ること間違いなしの、紛れもない珠玉の「バトル小説」に仕上がっています。

なんらかの作品を創作する人間であれば特に、そのバトルの熱さに二重三重の奥深さを味わえること請け合いです。

なぐるふぁるの鬼娘
作:西紀貫之
中編(32,267字)
掲載サイト:カクヨム

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