‘わたし’と“わたし”、一人きりの対話≪ダイアローグ≫。――カクヨムSF界隈を震撼させた傑作SF短編。

わたし、‘わたし’、“わたし”。(雪星/イル) - カクヨム
【これは、残響になった“篠路ミキ”と、記述された‘わたし’の物語】

 人生のあらゆる情報を、バイオローグと呼ばれるデータに記録し、そこから‘死者の人格の再現’さえ可能になった未来。
 自分の身に一切頓着しない、変わり者の“篠路ミキ”と生活する‘わたし’には、ある秘密があった。それは、わたし自身の秘密。家族にも、唯一無二の友人たちにも、告白できない秘密。

「――これは、わたしがいたという‘証’。」

 いや、この作品が出てきたときはびっくりしました。

 カクヨムのSFランキングで、いきなり上位に入り、そのあとも界隈では大きな話題になった作品です。

 「バイオローグ」というSFギミックは、近年になって注目を集めたもの。

 ハードウェアが主体であった伝統的なSFに対し、インターネットやスマートフォンの発達によってソフトウェア方面が注目されるようになった2000年代以降、それはにわかに「刺激的な未来」として僕らの前に現れたのです。

 ハヤカワSFコンテストの大賞作品である「ニルヤの島」などでも題材として取り上げられています。

 本作品は、ある少女の姿を通し、その刺激的な題材を描きます。それはむしろ大きな社会の構造よりも、鮮やかに未来を描くことに成功しています。

 現代から見つめる未来の姿と、その中に生きる人の姿をぜひご覧ください。

わたし、‘わたし’、“わたし”。
作:雪星/イル
中編(58,584字)
掲載サイト:カクヨム

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