〈女性だけの街〉で僕たちは女性たちに買われる。おちんちんとして。

女性だけの街(七瀬夏扉@ななせなつひ) - カクヨム
〈女性だけの街〉で僕たちは女性たちに買われる。おちんちんとして。

女性だけの街「マーテル」。この街には女性しかいない。この街には男性がいない。この女性しかいない街で、僕たちは女性たちに買われる。そして、僕は一人の女の子に購入された。彼女の名前はアリス。僕のオーナー。僕たちは、女性たちの性的生活と生殖行為のためだけに存在している。つまり、女性たちのおちんちん。

 TwitterなどのSNSでは、フェミニズムと表現規制に関する議論がいつも巻き起こり、うんざりするという人も多いと思います。

 しかし、価値観の変化というのはSF屋としてはある意味、興味深い題材でもあり、過去にも数多の作家が現実のそうした主張をテーマに優れた作品を残しています。

 本作品は、その中で語られた「女性だけの街を作ってそこに住めばいい」という話に着想を得たもの。

 揶揄するわけではなく、「もしそんな社会が訪れたとしたら、それはどのようなものか」を真摯に考える思考実験はまさに、SFが社会に存在する意義であるともいえます。

 「ひとりぼっちのソユーズ」作者の七瀬夏扉さんの描くボーイ・ミーツ・ガール作品としても珠玉の本作は、もちろん純粋なエンタメとしても十分以上に楽しめる作品。

 登場人物たちがその世界の中で息づいている様に、のめり込んで読んでしまいます。

女性だけの街
作:七瀬夏扉
長編(143,507字)
掲載サイト:カクヨム

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